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「送料無料」と聞くと、つい“お得な印象”を持ってしまいますが、実際には出品者や運送業者が送料を負担するケースもあり、消費者に「配送コストがかかってない」という“誤解”を与えている可能性があります。全日本トラック協会は消費者庁の意見交換会で「送料無料という表現によって業界の地位が著しく低下している」と発言しました。“コスト負担”の所在を明確にすることで、消費者の意識を変え、運送業者がコストに見合った運賃を受け取れるようになるでしょうか。
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■「送料無料」の表示 「やめてほしい」と運送業界の悲痛な声
中島芽生アナウンサー
「こちら『送料無料』。ネット通販などでよく見かけると思うんですが、長濱さんはこうしたことは気になったりしますか」
長濱ねるさん(俳優/タレント/『news zero』金曜パートナー)
「はい。つい、お得な印象で買ってしまうことがあります」
中島アナウンサー
「そうですよね。ただ、この「送料無料」の表示、『やめてほしい』という切実な声が上がっているんです」
「訴えたのは、全日本トラック協会。消費者庁の意見交換会で『送料無料という表現によって業界の地位が著しく低下している』『苦労して再配達までしているのにやりきれない』と発言しました」
■「配送料の明記」でコスト負担者が明確に 「表示見直し必要」と政府も
中島アナウンサー
「そもそも、「送料無料」と書くと“配送コストがかかってない”と消費者に誤解を与えかねませんよね。ただ実際には出品者だけではなく、運送業者が負担するケースもあり、きちんと『配送料を明記してほしい』というんです」
「政府も、運送業者がコストに見合った運賃を受け取れない要因のひとつとして、表示の見直しが必要だとしています」
■ドライバー不足さらに深刻に 物流業界の「2024年問題」とは
中島アナウンサー
「こうした理由には、物流業界の『2024年問題』があります。今はトラックドライバーにはない時間外労働時間の上限が、2024年4月から年間960時間に制限。つまり、ドライバーの人手不足がより深刻になり、野村総合研究所によると2030年には全国の35%の荷物が運べなくなるという試算もあるんです」
「つまり、『送料無料』の表示をやめて、どこが負担しているかを明確にすることで、消費者の意識を変えたいということなんですが、長濱さん、どのように感じますか?」
長濱さん
「注文したらすぐ商品が届くという便利さの裏には、このように過酷な環境で働いてらっしゃる運送業者の方がいるということ。今回、声を上げていただいたおかげで、はっとさせられました。私自身も、なるべく再配達にならないようにしたり、意識を変えていきたいなと思います」
(2023年6月23日放送「news zero」より)
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