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中国の上海モーターショーで「アイス事件」が起き、SNS を通じてドイツ・BMW への批判が高まりました。BMW 傘下の MINI のブースで中国人には無料のアイスが渡されなかったとして「差別だ」と炎上。進出企業が直面するチャイナリスクを考えます。
■中国駐在者「冷静に見ようとしている」
有働由美子キャスター
「自社の製品を売り込む場が、一瞬の出来事によって非難の的になるのは怖いですね」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「怖いですね。ただ、これがもし5~10年前に起きていたらもっと大きな不買運動になっていたのでは、という見方もあります。中国在住の丸紅中国会社経済調査チーム長の鈴木貴元さんに聞きました」
「鈴木さんは『5~10年前までは先進国に比べて中国が劣っているという意識が中国人の中にあり、差別への被害者意識から不買運動になったかもしれない。ところが最近は違う』と言います」
「『日本やヨーロッパ、アメリカと並んでいる、または中国の方が優れているとの意識に変わってきて、今回のことをあまり騒ぎ立てるのは大人の対応ではないということで、感情的にならず冷静に見ようとしている』と指摘します」
■H&Mで不買運動も…強まる統制
有働キャスター
「では、以前のような不買運動は今は起きないということですか?」
小野委員
「ただ、習近平政権の下で社会の統制は強まっています。新疆ウイグル自治区の人権問題を批判したH&Mなどには2年前、不買運動が展開されました」
「丸紅の鈴木さんは『中国に進出した外国企業が中国政府への批判や中国人差別につながる行為をした場合、国の利益や名誉を傷つける違法的行為となる場合がある』と話します」
■SNS 拡散「炎上」リスク、全世界で
小野委員
「ただ中国の市場は大事です。BMWグループは去年世界で販売した約240万台のうち約80万台、3分の1が中国でした。アメリカより大きな市場です。大事な市場だからこそ、中国でのビジネスの難しさ、チャイナリスクに外国企業は神経を使っています」
落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「(アイス事件は)された方は怒りますよね、と思いました。SNS とスマートフォンがあれば、どんなことがあってもすぐ共有されてしまうので、昔に比べると全世界的にこうしたリスクが大きくなっているなと思います」
「(MINIのブースでは)おそらくアジア人に配るな、とマニュアルに書いてあったわけではないと思います。その人の判断でやっていたと思いますが、バイトテロのようなものも含め、従業員のミスが大きなダメージになる時代なので、気を付けないといけません」
有働キャスター
「今、中国という国に14億という人口と巨大なマーケットがあるので『たかがアイス』と言えない話です。中国人のプライドという新たなチャイナリスクに企業が向き合わなければならない状況はまだまだ続きそうです」
(2023年4月25日放送「news zero」より)
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