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韓国メディアによると、北朝鮮の金正恩総書記は軍の会議で、地図上の在韓米軍基地を指して「攻撃作戦計画」を確認しました。アメリカと韓国による平壌占領や斬首作戦を持ち出し、危機感を強調しました。危機感を国内全体で高めようとする背景を考えます。
■敵は米韓…「攻撃作戦計画」とは
有働由美子キャスター
「北朝鮮メディアが11日に公開した写真を見ると、金正恩総書記が軍の重要な会議で、監部らに朝鮮半島とみられる地図を示しました。韓国メディアは、指しているのは韓国・ソウルより南にあるアメリカ軍基地の辺りではないかと報じています」
「この会議では『攻撃作戦計画』を確認したと伝えられています。ということは、アメリカ軍基地などへの攻撃作戦が話し合われたとみていいのでしょうか?」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「写真で見る限りはそのようです。敵はアメリカと韓国だと、金総書記は明確にしています」
「この日の会議ではアメリカと韓国が『平壌占領』や『斬首作戦』、つまり金総書記の暗殺まで持ち出していると、危機感をあらわにしました。そのため『やられる前にやる』『多様な軍事行動を取る』というのが、この攻撃作戦計画です」
■兵器の多様化、韓国との駆け引きも
小野委員
「多様という言葉の通り、北朝鮮は水中型の兵器の実験にも3月から力を入れ始め、核魚雷や水中発射型ミサイルなどバリエーションを増やしています。駆け引きもしていて、4月7日からは韓国側との定時連絡に応じなくなりました」
有働キャスター
「金総書記自ら危機感を煽っている感じがします」
小野委員
「その危機感を北朝鮮国内全体でも高めようとしているという指摘があります」
「『北朝鮮はこの3年間、新型コロナウイルスで国境を封鎖したこともあり、経済状況がかなり厳しい』と指摘するのは、北朝鮮政治が専門の慶応義塾大学の礒﨑敦仁教授です」
「礒﨑教授は『その中で核ミサイル開発への国民の理解を得る必要がある。そのため今、アメリカと韓国が北朝鮮の侵略をたくらんでいるとして、国民の危機感をいっそう高める必要にも迫られているのではないか』とみています」
■記念日に合わせて「計画」打ち出す?
有働キャスター
「だから金総書記自ら地図を指すなどしていると…。なぜこのタイミングで攻撃作戦計画を打ち出したのでしょうか?」
小野委員
「まさに11日は記念の日です。11年前、金総書記が最高指導者として就任しました。当時は『金正日(キムジョンイル)総書記の弟子らしく団結して力強く戦っていこう』と演説していました」
■トップ就任11年で金正恩氏は?
小野委員
「就任4日後の軍事パレードを現場で取材し、今はソウル支局にいる原田敦史記者に聞きました」
「『当時は落ち着きがなく、頼りない印象でした。それが今や地位を築き上げ、核兵器の保有という言葉をはばかることなく口にするようになりました。確たる自信を備えたように見えます』と言います」
落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「金正恩氏の今の姿を見ると堂々としていて、独裁者らしいと思うような姿になってきました。今がまさに『正恩の時代』として北朝鮮の国内のいろいろなことが動いている印象です」
「中国やロシアとどういう関係をこれから結んでいくのか、日本や東アジア情勢にどう影を与えるのか、注目しないといけません」
有働キャスター
「日本の防衛省は11日、日米韓3か国の防衛当局の高官による協議を約3年ぶりに開催すると発表しました。これまでできていなかった、北朝鮮のミサイル発射情報の即時共有について、具体的な進展があるのか注目です」
(2023年4月11日放送「news zero」より)
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