【被爆の記憶を継ぐ】「家族伝承者」語れなくなった父にかわり… 桐谷美玲キャスターが聞く“家族の思い”
【動画の長さ : 09:57】
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日テレNEWS2025-08-07 00:26:251834018

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8月6日「原爆の日」を迎えた広島から、お伝えしています。戦後80年がたち、被爆した方の平均年齢は86歳を超えました。被爆の体験を語れる方が減り続ける中、家族が語り継いでいく「家族伝承者」という制度があります。原爆の記憶を、絶やさない。家族の思いを取材しました。

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https://news.ntv.co.jp/category/society/e90c6f2742d14c91ad3c7b8729a63770

   ◇

広島市の細川洋さん(66)。父の被爆体験を語り継いでいます。

父の被爆体験を語り継ぐ 細川洋さん(66)
「これが13歳の時の父。結構イケメンだったんですよ」

桐谷美玲キャスター
「そうですね、端正な」

父の被爆体験を語り継ぐ 細川洋さん(66)
「それが80年たつとこうなる」

桐谷キャスター
「すてきな笑顔ですね」

2023年、95歳で亡くなった父・浩史さん。17歳の時に被爆し、語り部として20年以上活動。

細川さんの父 浩史さん
「この手すりのいたるところに血まみれの手のあとがついていたのを覚えています」

実体験とともに、平和の大切さを語り続けました。

   ◇

広島に原子爆弾が投下されて、6日で80年。被爆者の平均年齢は、86歳を超えました。

高齢化が進む中、3年前から広島市が始めたのが「家族伝承者」という制度。子や孫などが被爆体験を引き継ぎ、講話などを通して次の世代へ伝える取り組みです。

桐谷キャスター
「どういった経緯で家族伝承者になろうと決意されたのですか?」

父の被爆体験を語り継ぐ 細川洋さん(66)
「2020年からコロナが日本に上陸しまして、世の中にまん延していく中で、父も体を壊して入退院を繰り返すようになった。父も語りたくても、もう人前で語ることが物理的にできなくなってしまった」

語れなくなった父にかわり、被爆体験を語り継いでいきたい。こうした決意から研修や父への聞き取りなどを経て、家族伝承者として市の認定を受けたのです。

桐谷キャスター
「お父様も息子さんが継いでくれるとなった時、うれしかったでしょうね」

父の被爆体験を語り継ぐ 細川洋さん(66)
「『家族である息子が自分の体験を継いでくれるというのは心強いな』と、顔を崩して笑みを浮かべて言ってくれた。良かったなと」

細川さんは被爆体験とともに、父の妹の“生きた証し”も引き継ぎました。それは今、広島平和記念資料館に保管されています。

父の被爆体験を語り継ぐ 細川洋さん(66)
「こちらの日記になります。この間まで家にあったのですが、被爆80年を機に6月9日にこちらへ寄贈しました」

80年前の日記です。

書いたのは父の妹、森脇瑤子さん。女学校に入学したばかりの13歳の時に被爆し、命を落としました。

日記は、入学式の日から始まっています。

瑤子さんの日記
「4月6日。入学式が挙行された。かねて永年あこがれてゐた第一縣女の生徒になったのだ」
「5月2日。今日は家事で弟妹の世話について習ひました。私達もやがては母となり赤ちゃんも育てるやうになるのですから一生懸命にやりました」

最後に記された日付は、1945年8月5日。原爆投下の前日です。

瑤子さんの日記
「8月5日日曜日。天候は晴れ。昨日叔父がきたので、家が大へんにぎやかであった。『いつもこんなだったら、いいなあ。』と思ふ。明日から家屋疎開の整理だ。一生懸命がんばろうと思ふ」

つづられていたのは、何気ない日常でした。

桐谷キャスター
「こんなに日常を過ごしていたのが急にパツンとなくなってしまうというのもちょっと。本当に戦争ってむごいなって思わされますね」

瑤子さんが書くはずだった、8月6日のページ。本来空白だったはずのその場所には…。

「可愛い瑤子ちゃん。毎日父の帰りを待って日記をしていた最後の頁(ページ)を戦敗れて帰った淋しい父が飾ります」

瑤子さんの父・中さんからのメッセージが…。

原爆投下の翌年に出征先の中国から帰国。娘の死を知ります。

瑤子さんの父・中さんのメッセージ
「瑤子ちゃんの霊よ安らかに眠れ…」

桐谷キャスター
「なんでこんなにすてきなご家族がつらい思いをしなきゃいけなかったんだろうって。きっとこういう家族たくさん、他にもいたんだろうなっていうのをすごく想像してしまって」

父の被爆体験を語り継ぐ 細川洋さん(66)
「こういう少女が懸命に生きていたし、大人たちもごく普通の生活を一生懸命やっていて泣いたり笑ったりしながらね。それがスパッと断ち切られてしまった理不尽さを、この日記から伝えていきたい」

   ◇

被爆の記憶を伝え続ける、家族伝承者。活動している42人の中には、桐谷キャスターと同年代の男性もいます。

尾形健斗さん(34)です。

家族伝承者 尾形健斗さん(34)
「当時16歳だったおじいちゃんが、16歳の少年が当時思ったことを、そのまま言葉で伝えるよう意識してやっています」

96歳の祖父・松原昭三さんからバトンを受け取った尾形さん。今も2週間に1回ほど祖父と話している尾形さんは、「被爆者の声をつなぐ」ことが大切だと訴えます。

桐谷キャスター
「私たち世代ができることってどういうことだと思いますか?」

祖父の被爆体験を語り継ぐ 尾形健斗さん(34)
「核弾頭が長崎以降、人類の上に落とされていないのは本当に奇跡だと思う。ただその奇跡は偶然ではなく、広島・長崎の被爆者が訴え続けてきたからこそだと思う。そのたすきを決して絶やしてはいけない」

   ◇

そして、原爆投下から80年がたった8月6日。細川さんの姿は市内の小学校にありました。

父の被爆体験を語り継ぐ 細川洋さん(66)
「80年前のきょう午前8時15分、1発の原子爆弾が投下されて1年のうちに14万人が亡くなったと」

“子どもたちの平和学習に、いかしてほしい”

家族伝承者として依頼を受け、小学校の教師に講話を行いました。

桐谷キャスター
「きょうという日を、どのような思いで迎えましたか?」

父の被爆体験を語り継ぐ 細川洋さん(66)
「80年ですね。あの日あの時から80年たったということで、特別な感慨を持って迎えています」

桐谷キャスター
「一番講話の中で大切にされていることは?」

父の被爆体験を語り継ぐ 細川洋さん(66)
「原爆というものの理不尽さ、悲惨さを通して、命というものの大切さを伝えていきたい。考えていただきたい。何よりもまずは自分の命を大切にするということ。自分の命を大切にしながら、同時に人の命、それから動植物の命まで大切にできる人になってほしい」
(2025年8月6日放送「news every.」より)

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