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中国軍は、訪米した台湾の蔡英文総統とアメリカのマッカーシー下院議長との会談への報復として、台湾周辺での軍事演習を行った。
中国軍は演習の傍ら大量のアクション映画風の動画を10本以上作成。連日SNSに投稿した。その中身をつぶさに見てみると・・・実況記者を同行させたり、台湾に肉薄している様子を、今度は実況付きで強調するなど周到な準備の跡も見えた。
例えば演習初日、4月8日に投稿された映像は兵舎から一斉に兵士たちが飛び出す様子で始まる。この映像が投稿されたのは8日の正午過ぎ。中国軍が演習開始を宣言してからわずか4時間後だが、映像は編集されBGMまでついていた。さらに同行記者とされるこんな実況も。
「私は海軍のフリゲート艦「徐州」に乗っています。」
去年8月、米ペロシ下院議長の訪台に反発した演習の際にも、演習に先立って数々の映像を用意していたとみられるが、今回も周到な準備の跡が伺える。中国軍にとって膨大な宣伝動画を同時に配信することは、実際の演習自体と同じくらい重要なミッションなのだろう。
実際、映像で演習の内容についてどんな「見せ方」をしているのか見てみると、例えば初日は「潜水艦掃討訓練」の様子が映し出される。中国は、最近ではオーストラリアが原子力潜水艦の配備計画を発表した際、強く反発した。映像が対潜能力を見せつけたい内容になっていることから、中国軍が台湾有事の際、アメリカや日・豪など同盟国の潜水艦によ
る台湾周辺での活動に神経を尖らせている様子がわかる。
艦船の指揮官はインタビューに対し、「中国の艦船が台湾を取り囲むように配備されている」と強調している。また空軍の戦闘機「殲16」などが飛び立ち、空中給油を受ける様子も映し出された。中国軍は最近、空中給油の動画公開を頻繁に行っていて、長時間、空中に留まって戦闘を続ける能力や台湾の東側まで長距離派遣も可能だとアピール、台湾側に脅威を与える狙いがあるとみられる。
一方で、陸軍のロケット砲の部隊やミサイル部隊も移動する様子は映し出されているものの、実弾の発射シーンはない。去年8月の演習では実弾を発射する様子も公開され、実際、現地付近にいたNNNの記者も目視した。また、自衛隊や台湾軍も弾道ミサイルの発射を確認したが、今回、弾道ミサイルの発射はなかった。今回の演習が前回に比べて抑え気味に済ませ、動画ばかりが勇ましく作られていることがわかる。
9日の映像では中国軍の兵士が双眼鏡で監視する先には台湾軍のフリゲート艦が航行する様子が含まれている。台湾に肉薄したことを誇示し威嚇する意味合いがあるとみられるが、実は去年8月の演習でも似たような画像が公開されていた。しかしこの時には台湾の検証チームが画像の不自然な点を指摘、事実とは異なると発表した。そのためかー
「現在、4月9日午前です。5海里離れているところ台湾のフリゲート艦「宜陽」が航行中で目視できる距離にあります。」
今回は実況記者が登場しこれを”実証”しようとする演出もあった。
さらに、台湾北部に向かって爆撃訓練を行うとするパイロットに密着する動画も。爆撃機の機内ではさかんに実戦に近い雰囲気が強調される。
「すでに台湾北部付近の空域に到達した」
「模擬飽和攻撃を実施する。ミサイル準備OK、発射!」
陸海空からの一斉攻撃で台北や高雄などの大都市で火の手があがるCGアニメーションも制作。さらに10日は空母「山東」から艦載機が発艦する映像も公開した。台湾側によると艦載機の一部は台湾の防空識別圏にも進入したといいう。また海上自衛隊も艦載機などの発着がおよそ120回行われたことや、駆逐艦など4隻の艦艇を伴い沖縄県宮古島か
ら数百キロの海上を航行していたことを確認している。この空母の訓練について中国のメディア関係者がSNSに投稿した文章では、有事の際にアメリカ軍が台湾に接近するのを阻止するためと、あえて強調してみせた。しかし、本気でアメリカ軍との対決を想定した訓練と言うより、国内向けに強気のポーズを見せる意味合いも大きそうだ。
中国軍は10日で演習の終了を宣言したが、翌日も動画を投稿。ロケット砲の部隊が無人機で砲撃を誘導する訓練などを投稿して「演習の常態化」をアピールした。また空母・山東も東に太平洋の航海を続け、16日までに艦載機など新たに210回の発着艦が確認されたという。
ただ、全体的にみると前回に比べ演習自体は小ぶり。総統選挙を来年に控えた台湾世論や国際世論に配慮した可能性がある。4月7日まで中国に滞在したフランスのマクロン大統領や、台湾野党・国民党の馬英九前総統が中国本土を離れた後を見計らったかのように、8日から演習が始まったのも関連している可能性がある。大量の動画はむしろ国内向けに中
国軍の強気の姿勢をアピールし、愛国心や軍への支持を高める狙いがあるとみられる。ただ、台湾をめぐる示威行為は今後も続くとみられ日本などにとっても緊張を強いらる状況は続きそうだ。
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