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世界トップクラスと言われ、日本でも注目されているフィンランドのこども教育。一体、どんな教え方をしているのか?佐藤真知子アナが取材しました。
まず訪れたのは、フィンランド大使館。報道・文化担当のプロンタカネン参事官にフィンランドの教育事情を聞きました。
佐藤真知子アナ「フィンランドの教育は世界的に見てトップクラスと言われていると思うんですが その理由はずばり何でしょうか」
フィンランド大使館レーッタ・プロンタカネン参事官「私たちの教育の成功には、たくさんの理由があります。ひとつ目の理由は教員のスキル が高いこと。もうひとつは金銭面です」
実はフィンランドでは小学校に上がる前に入るプレスクールから大学院までの教育費がすべて無償となっています。
また6歳~18歳までの13年間は義務教育のため、教材費や給食費、通学にかかる交通費も無償に。
家庭の経済状況に関わらず、学ぶことができるようにと全て税金でまかなわれているんです。
フィンランド大使館レーッタ・プロンタカネン参事官「日本と比べて小さな国ですので、 誰一人取り残されてはいけない という考えを持っています」
日本に比べて税金が高いフィンランド。それは教育を含む福祉を充実させることが大きな理由なんです。さらに学びに対する姿勢も…。
フィンランド大使館レーッタ・プロンタカネン参事官「フィンランドでは生涯教育という考え方があります。教員には”自ら学び続ける””再教育を受ける”という姿勢があるのです」
佐藤真知子アナ「学びに終わりはないということですね」
”自ら学ぶ”という姿勢は子どもたちの様子にも現れていました。フィンランドの首都・ヘルシンキ市にあるメトゥソラ小学校を取材すると…
メトゥソラ小学校教諭ヘルミ・コイスティネンさん「今日は数学から始めます復習をしましょう」
この日はテストが近いため、数学の復習をすることに。問題が書かれたプリントを配ろうとすると、児童たちが我先にと取りに来ました。プリントを受け取った児童たちは
児童「廊下には行っていいの?」
メトゥソラ小学校教諭ヘルミ・コイスティネンさん「廊下でも大丈夫よ」
児童「全員行ってもいい?」
メトゥソラ小学校教諭ヘルミ・コイスティネンさん「いいですよ」
なんと児童たちは教室の外へ。実はヘルシンキ市内の学校では、児童たちがそれぞれ自由な場所で授業に取り組む姿をよく見かけるそうです。
問題を解き始める児童たち。しかし全てを解く必要はなく、どこまでやるのか決めるのはこどもたち自身なんです。
男の子の児童「ミクシ?ミクシ?あ、そうか!」
女の子の児童「ミクシ、この前にゼロが入るの?」
授業の様子を取材していると、児童たちが次々に口にしている”ミクシ”という言葉に気がつきました。ミクシとは「なぜ?」「どうして?」という意味なのですが、この言葉はフィンランドの教育において重要なキーワードとなっているんです。
メトゥソラ小学校教諭ヘルミ・コイスティネンさん「ミクシという言葉はこどもたちをちゃんと考えさせます。問題 を解決できるようになるために(こどもたちに)聞くようにしています」
普段から大人が”ミクシ?”「どうしてだと思う?」とたずねることで、児童たち自身も自然と”ミクシ?”と疑問を持つようになるといいます。
これは社会に出て様々な問題に直面したとき、自ら解決する力を育てるための教育なんだそうです。
そして疑問を持って話し合うことは、成績を向上させるだけでなく、自立性を促すことにも繋がります。
メトゥソラ小学校ピア・ラウハ校長「小さいときから(様々なことに)自分たちが参加することで”物事に影響を与えられる”という意識を持たせることが、フィンランドの教育でとても大事だと思っています。」
教育水準が世界トップクラスといわれるフィンランド。こどもたちの個を尊重しながら、自立性や主体性を育てることが重要視されているようです。
(2023年5月1日放送「Oha!4」より)
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