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5年前の大規模火災から再建が進み、今月、一般公開が再開したパリの「ノートルダム大聖堂」。修復に携わった日本人に密着しました。
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ゴシック建築の最高傑作、パリの「ノートルダム大聖堂」。5年間の修復をへて今月7日、“復活”を祝う式典が行われました。内部の修復が終わり、一般公開が再開され多くの人が訪れています。
パリ市民
「素晴らしいと思うのは、復活した色の数々です。きれいになった石、チャペルの色、本当に美しく感動すら覚えます」
5年前、大規模火災で屋根が焼け落ちるなど大きな被害がでました。火災の影響を受けた貴重な文化財のひとつが、8000本のパイプを持つフランス随一のパイプオルガンです。この修復を任された日本人がいます。オルガン修復士の関口格さんです。
オルガン修復士 関口格さん
「ほこりをかぶった状態ですね。鉛を含んだ有毒なものなので、全身・フルフェースのマスクをして作業していました」
パイプを1本ずつ取り外し、有毒なすすを拭き取ることから作業は始まりました。実は、関口さんがオルガン修復士になったきっかけはノートルダム大聖堂との出会いでした。
オルガン修復士 関口格さん
「人生で初めてオルガンを聴いたのが、ここなんです」
ノートルダム大聖堂で初めて聴いたオルガンの音色に感動し、オルガンに関わる仕事をするため25歳の時にフランスに渡りました。
オルガン修復士 関口格さん
「自分はオルガンを選んだのですが、結局、歴史とか過去とつながる手段だったんじゃないかと思います」
800年以上の歴史をもつノートルダム大聖堂。フランス政府も国の威信をかけ、それぞれの分野で一流の職人らが、修復に取り組んできました。関口さんはオルガンを調律する5人のうちの1人です。
パイプオルガンを次の世代に必ずつなげると誓った関口さん。ノートルダム大聖堂で火災前に2度調律をしていた経験が買われています。
師匠カチオさん
「彼は何が求められているかを理解し、よく音を聴き、忠実に再現します」
作業は、音が聴きやすいように夜に行われます。パイプは、数ミリから10メートル以上のものまで一本一本、手作業で調律。音の微妙な違いを聴き分けながら修正していきます。
火災の前に聴いていたあの音色。自分の耳に残った音を頼りに調整を続けてきました。そして今月7日、再開の式典を迎えました。
関口さんが4年の歳月をかけて修復してきたパイプオルガン。
オルガン修復士 関口格さん「今回こういう工事で再建したということは歴史の一部で、それは消すことはできない」
(2024年12月21日放送)
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